第34回
天才試写会
2014.3.28 15時36分
『ある過去の行方』
監督:アスガー・ファルハディ
出演:ベレニス・ベジョ、タハール・ラヒム 他
試写会開催日:2014年3月28日(金)20時開場/20時半開映
作品公開日:2014年4月19日(土)Bunkamuraル・シネマ、シネマカリテ他全国順次公開
(C)Memento Films Production – France 3 Cinéma – Bim Distribuzione – Alvy Distribution – CN3 Productions 2013
STORY
フランス人の妻マリー=アンヌと別れて4年。今はテヘランに住むアーマドが正式な離婚手続きをとるためにパリに戻ってくるが、マリー=アンヌはすでに新しい恋人サミールと彼の息子、娘たちと新たな生活をはじめていた。しかし、娘のひとりがアーマドに告げた衝撃的な告白から、妻と恋人、その家族が背負う過去と明らかにされなかった事実が次々と浮かび上がる――
『ある過去の行方』
第34回
天才試写会
天才のひとこと
“『ある過去の行方』” への19件のコメント
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『パスト ライブス/再会』
2024.2.5 16時13分
試写会開催日:2024年2月27日
作品公開日:2024年4月5日(金)
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お問い合わせ/映画の天才委員会(中井圭・石田文子・田尻博美)
凄い映画だった…!
6歳くらいの子どもから大人まで全ての登場人物全てに感情移入できるんです。
男女問わず彼らの考えていることが、手にとるように分かります。
最初は何てことない出来事も、気がつけばひとつの大きな道筋が出来ていて、
しかもそれを時間軸がバラバラに解き明かされているのに理解できるなんて、
この脚本は何ですか、凄すぎます。
物語の伏線の作り方も自然です。
絡まった糸がひとつひとつほどけていって、
しかもその糸をほどくたびに、胸をえぐる事実が隠されています。
子どもって残酷ですよね。考えてることが清くて汚れがなくて、それが残酷。
大人になると、物事が絡まって来て、そんな風に考えられなくなる時もある。
「大きな人」と書いて大人と読むけれど、ちゃんと大人になれてるか?
っていうとそうでもなくて、
「大きい子ども」と表記した方が良いんじゃないかなと、たまに思います。
大人も、もしかしたらこじらせた子どもなのかも。
いつも「本当に良い映画とは何か」を教えてくれる
映画の天才の皆さんにはいつも感謝です。ありがとうございます。
いやー、凄い映画だった…!
すごく面白かったです。
ずっと、お話に引き込まれていました。
最後に明かされる大どんでん返しの答えに、不貞な事をする罪深さを感じました。
みんな不幸になります。
そして、みんなが求めている答えって、やはり何があっても思い続ける夫婦愛なのかなと。
マリーもかわいそうな気もします。
ガラス越しの会話が聞こえなくなる演出に、
一瞬だけ、映画の中のキャストになった気持ちがしました。中から、外で起こってる事を傍観しているような。
壊れていく男女の恋愛、家族、子供、生活、嫉妬、信頼、民族など、さまざまな襞(ひだ)が描かれているようでした。心の機微を描写した何気ない映像、ガラス越しの会話、運転中の視線、生乾きのペンキ、雨音にさえ、反応してしまうほど情緒的で、観る者の感性をくすぐる、余白のある映画だとおもいます。鑑賞後に近くのお店で感想を語り合うとおもしろそうです。男女であれば、なおさら盛り上がりそう。
苦しかったです。
モラルに従うべきか、真実をつきつめるべきか、過去を掘り下げず未来に向かうべきか。
終始、選択を迫られます。
遠く離れた土地の、
何の関係もない誰かの話なのに、
普段自分が見ないようにしてる負い目を感じていることについても
「で、キミはどうなの?」
みたいに迫ってくるわけです。
ラストのシーンは、息をのむほど美しかった。
モラルや真実の追求なんて、もはや、どーでもよい。
“彼が彼であることの証明”に救われ、涙がこぼれました。
130分という時間を全く感じさせない一秒として飽きることのない物語でした。
観る人の目線によっても違うストーリーになるような謎だらけの展開だけど、日常だってそうだよなといろんな点で共感出来ます。
サミールの息子の将来が描かれる続編とか観てみたい。
中井代表ありがとう!!!
現実という一面の中に在る
数え切れない程の感情が
爆発する瞬間、そこに添う人物は
何を思い、放つのかという問いへのアンサー。
シンプルでもなく
難解でもなく
どこか泥臭い作品の香りこそが
誰しもが持つ匂いであり、空気なのだと思った。
真偽なんてあってないようなもの。
胸の内のまたその奥の欲望に逆らえないことなど当たり前なのかもしれない。
物語、最後の台詞が個人的には大好きです。
フィクションなのに、怖いくらいリアルで、
他人事なのに、もの凄く近い感覚。
タイトルバックのワイパー表現、
車内で揺れるクリーニングのシャツたち、
度々の激しい雨、
詰まりやすい配水管のパイプ、
すべての日常が自然と感情に重なりました。
自分の心が使ったことのない動きを要されて、激しく疲労して、
最後に差す一筋の光で一気に弛緩し、不覚にも涙が…
思いを改め踵を返す出演者たちの背中も印象的でした。
ぼくもきっとあそこで振り返るだろうなと。
あー、びっくりした。
入り込んでしまいました。誰の行動が正しいのか、終始考えさせられ苦しかった。とても生々しくて人間の弱点を改めて思い知った感じ。味覚、聴覚、視覚、嗅覚、触覚を全て意識させられるから生々しかったのかも。。
苦しかったけど、豊かな気持ちになれた。
不安定なバランスは、いつどこで壊れてしまったのだろう。
何が答えなのかも分からない行方に、目を離せない。
その不安要素がたくさん散りばめられて、何故か魅力的だと思ってしまった。
壊れていく世界が美しく なぜかそれを見ていたいと思ってしまった。
居心地が悪いはずの不協和音にいとおしさを感じてしまうなんて。
ラストシーン。
人生に答えなんかいらなくて、一途に生きていくことなのかな。
余韻に浸っています…
どんどん すいこまれていきました
何がおきるかわからない感じに
ドキドキしてました
ラストシーン 身を乗りだしそうなぐらい
すいこまれてました
とっても 綺麗だった〜
イイ映画でした。アラブ世界、いやイランはアラブではないのか、ペルシャか・・・・
ではイスラム世界の暗さというか差別感みたいなのかわからないけれど
この監督独特の雰囲気が感じられます。尤も他の作品は見たことがないので憶測です。
カットやらストーリーがアレなのか引き込まれましたね。
所詮人間は主観で生きている。それをネガティブに取るかポジティブにとるか
それも、結局は同じ事で・・・・
僕にとっては家では何か見られない、勇気が要る映画。DVDを買ったり、
借りたりしづらい部類。。でもミニシアターとかだと行ってしまう系。
そういう感じでお勧めします
登場する全ての人の行動に程度の差はあれイラッとするが、彼らが心の中で思っていることが詳しくみえてくるにつれ、理解したり共感したりして心が痛くなってゆく。
…その繰り返しで観てるこちらの心はかなり消耗しました。笑
過去に足をひっぱられて生きるのは苦しいな。前に進みたくても、立ち止まって振り返ってしまう。でも、人ってそういうもんだよね、とも思う。
そのやりきれない気持ちをずっと抱えながら観ました。
130分、一瞬も飽きることがなかったです。
映像に置いてけぼりにされることが多い私ですが
この映画はとにかく入り込めました。
私も彼らと同じ場所に生きている。という気分が強く残りました。
すごい映画だったなぁ。
これは傑作です。
本当にすばらしい。
サスペンスと解らなくなるくらい、よく出来たサスペンス。
日常にリアリティがあって、ともすればドキュメンタリーっぽい。
ものすごい脚本だと思う。
全ての登場人物の、内に秘めた感情をファルハディ監督が赤裸々に描いていく。
ある緊張感が続き、それぞれの想いが、後半複雑に絡み合って…。
エンティングは、自然と泣いてしまいました。
ふりかえると、
冒頭のシーンにマリーの感情の全てが集約していたような気もします。
脚本が神懸かってます。
前作の「別離」でも感じましたが、この監督は普遍性というものを大事にされているなあという印象です。
そのメッセージは国、宗教、地位、価値観を問わず等しく問いかけてくるもので、人である以上、考えさせられ、うならされます。
これ、映画を超えてるというか、人間としてどう生きていくかを学ぶ教材として最適なんじゃないかと思います。
この映画は数年おきに観て、自分の中の感じ方の変化を確かめていきたいです。
今後もぜったいに色あせることのない、珠玉の一本でしょう。
コメントをどう書いていいものか悩みました。
だからと言って、面白くないわけじゃなく、あっという間の130分でした。
劇中歌がない分、生活の音(雨音、椅子の音、ドアの音、足音など)がすごく印象的に感じます。
だからでしょうか、知らぬ間に映画にのめり込んでいました。
もう1回観たいです。
あと感じたのは、私には2人の子どもがいるので、子どもの我慢している顔は辛いです。
どんな事情があるにしても、子どもがその犠牲になるのは悲しすぎる。
そう思いました。
凄くヒステリックで情熱的な映画で、小説にしても読みたいような良く出来た脚本でした。
元妻のマリー・アンヌのヒステリックな演技は、わかっていてもイライラしてきてしまい、
「女は怖い」と感じずにはいられませんでした。
アスガー・ファルハディ監督の他の映画も是非観てみたいと思います。
ただ、彼女とは観れないかも知れません。。。
信じてる。愛してる。
そんな言葉に満たされているうちは見えてこないのかもしれない。
関係が不信と憎しみにさらされて、多くを失って、それでも残ることで初めて、
絆というものは確かな輪郭を見せるのかもしれない。
そんなことを考えさせられる映画でした。
明日カミさんと別れようと思ってましたが、もう一度がんばってみることにしました。
前作『別離』同様強烈!!
「見せない」「語らない」ことによって、僕たち観ている側に
想像させることによって、一見普通のシーンも強烈な印象が残ったような気がしていました。
脚本、演出ともに素晴らしいですが、
あわせて役者の演技も素晴らしかったです!!
マリーアンヌ、アーマド、サミール、リュシーなどの登場人物同士の会話のシーンでは
全員、話している相手に気持ちが向いていない、そんな表情が垣間見えて、
なんとも切ない、哀れな気持ちになりました。
また、『別離』でもそうでしたが、
アスガー・ファルハディ監督の作品は、
一番最後のシーンが強烈な印象を与えているように感じます。
あのラストのシーンでたくさんのことを悟り、
現実に引き戻されるような感じ。
映画ではいろんなことがあったけど、それでも皆、生きている。
自分も生きているし、それはこれからも続いていくんだなと
思わさせてくれます。
また数年後に観直したら受ける印象が大きく変わってそうな作品でした。
アスガー・ファルハディ監督の新作「ある過去の記憶」は「彼女の消えた浜辺」「別離」に続いて恐ろしいほどの完成度。脚本、演出、撮影、演技すべてか緻密に計算されている上に、前々作や前作同様、終盤になるまで話の全貌が明らかにならないので、1回みただけではうかつにコメントできないので、ここでは多く語りません。さすが信頼のアスガー・ファルハディ印、安定感すらある素晴らしい映画であることだけは断言できます。
今回は舞台がイランからパリに変わっているものの、作品のつくりや読後感は全く変わらず。人間の本当に普遍的なところに切り込んでいるので、どこの話だろうとあまり関係なく、僕ら日本人はもちろん世界中の誰が見ても、他人事とは思えず、ぐいぐい映画の中に引き込まれてしまうと思います。どこにでもいそうな、自分によく似た登場人物達の日常が、ほんの些細なきっかけで変化し、それぞれが抱える過去や心の闇が浮き彫りになっていく(この構造も監督の今までの作品と一緒)。地味な話なのにサスペンスばりに緊張感に溢れていて、一瞬も画面から目を離せない。いろいろな仕掛けが隠されていそうなので、公開されたらまた観に行くつもりです!