第36回
天才試写会
2014.6.4 13時21分
『her/世界でひとつの彼女』
監督:スパイク・ジョーンズ
出演:ホアキン・フェニックス、スカーレット・ヨハンソン、エイミー・アダムス、ルーニー・マーラ
試写会開催日:2014年6月5日(木)18時半開場/19時開映
作品公開日:2014年6月28日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
Photo courtesy of Warner Bros. Pictures
STORY
そう遠くない未来のロサンゼルス。ある日セオドアが最新型のAI(人工知能)型OSを起動させると、画面の奥から明るい女性の声が聞こえる。彼女の名前はサマンサ。AIだけどユーモラスで、純真で、セクシーで、誰より人間らしい。セオドアとサマンサはすぐに仲良くなり、夜寝る前に会話をしたり、デートをしたり、旅行をしたり・・・一緒に過ごす時間はお互いにとっていままでにないくらい新鮮で刺激的。ありえないはずの恋だったが、親友エイミーの後押しもあり、セオドアは恋人としてサマンサと真剣に向き合うことを決意。しかし感情的で繊細な彼女は彼を次第に翻弄するようになり、そして彼女のある計画により恋は予想外な展開へ―!”一人(セオドア)とひとつ(サマンサ)”の恋のゆくえは果たして・・・
『her/世界でひとつの彼女』
第36回
天才試写会
天才のひとこと
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更新情報
次回試写会のお知らせ
『パスト ライブス/再会』
2024.2.5 16時13分
試写会開催日:2024年2月27日
作品公開日:2024年4月5日(金)
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お問い合わせ/映画の天才委員会(中井圭・石田文子・田尻博美)
僕が愛している「ロロ」ちゃんはパピョン×チワワの犬です。ロロちゃんはもちろん言葉を話す事ができません。でも必死に行動と表情でお腹空いた。散歩いこうよ。もう眠いんだけど。と会話して来ます。同じく犬を飼っているコピーライターの谷山雅計さんが「下手な言葉を発するよりも気持ちがよく伝わってくるんだよね。コピーライターがこんな事言ってはいけないのですが」とおっしゃってました。この映画のサマンサはこの逆みたいだなと。身体や表情が使えないから、「言葉」で気持ちを表現する。人間は「言葉」につまったら表情で逃げたり。表情で悟られたら困るときは「言葉」をメールにしたり。人間ってズルいよなぁって考えながら観てました。ただ、人間もサマンサも犬も、コミュニケーションを取ろうとするところには愛情が必ず見えてくる。生きている以上は、溢れ出る愛情に触れずにはいられないよ。
そんな感想をもたらしてくれた素敵な映画でした。
美術がハンパなく素晴らしいし、カメラも音楽もすごかった。
沢山の人に観てもらえるといいなぁ。
「非人間の恋」というのは、スパイク・ジョーンズのひとつのテーマである。2010年の「I’m Here」という短編も好きだった。彼女を助けるために自分を分解する男の話(両方ロボット)。今回に繋がる脚本だったような気もする。
適度にこなれたテクノ感は、羨望でなく批判的な目線も含む。未来のPCのインターフェイスや効果音(専門なので特に感じた)も本当に良くできていて、Ap*le社が真似しちゃうんじゃ!?と思った。
他にも、スカーレット・ヨハンセンの声だけの演技、人工知能がつくった設定のピアノ曲、間接照明に見立てたビル群など見所も多い。
非人間を使って炙り出したいのは、結局人間の性ということに共感する。
“Spoon me”という台詞がいいなあと思った。
spoon【自動詞】いちゃつく
プロダクトのお仕事とは別でアプリを作る身として、OS1はUI/UX含め、かなり魅力的なOSでした。本当にあったならインストールして試すのは間違いないです。自分の作ったアプリに導入したい。SIRIが登場した際もネット界隈では似たような現象がありましたが、それを今映画化してくれたのはとても嬉しいです。もちろん脚本もよいバランス、人間の思考がユーモア絡め、わかりやすく描かれてました、さすがの人工知能。もうOSが彼女でええやん、と追体験できるほどに。
この時代、誰でもなり得る恋。
恋をするってスゴイ事だ!
予想不可能でコントロール出来ないし、
悲しいしでもハッピーで楽しい。
ともかく両想いは奇跡!!!!!
すごくイイ映画でした。
有り難うございました!!
スパイクジョーズらしいとてもファンタジックなお話。彼が描き出すアイデアあふれる世界観が好きです。今回は特に近未来のロスの都市デザイン、マンションや部屋のインテリア、衣装がとても気になりました。音楽もよかったなー。表面的なところばかりでなく話の本筋ももちろんアイデアにあふれていて面白いのですが、OSや人工知能がこういう方向に進化することには当然の流れだな。と思いながらも恐怖を感じます。人の表情や体から伝わる情報って凄いですからね。そんなことを改めて感じました。
人間とOSの恋愛…
一見ありえないようでいて、
途方もなく深いリアリティだった。
ハッピーで、愛おしくて、切なくて。
きっと、そう遠くない未来の素敵な寓話。
(男性と女性ではこの作品を観てどう感じるか、
色々と差異がありそうで興味あります)
予想のはるか斜め上をいく恋と愛の話でした。スパイク・ジョーンズが描く、普通だけど普通じゃない男と女の恋愛ストーリーは、鑑賞後深い余韻が残りました。個人的にOSは進化するけど中年男性のファッション(眼鏡&ヒデ、タックイン)は変わらないところにグッときたり、ネコ好きとしては趣向性の高いチャットレディーに「ネコに尻尾で顔をはたかれるのはボクも好きだけれども!」と心の中で突っ込んだりと、ディテールも十分楽しめました。あまり恋愛映画に耐性のない=苦手な男性に観て欲しいですね。ボクは耐性がありませんが、最後ほろりときました。
恋愛映画は普段もっとも観ないジャンルなのですが、
『her』は恋愛映画が苦手な方にこそ食わず嫌いせず観てほしいと思いました。
今の時代だからこそありえるワンアイデアで、長編に仕立て上げたのは、さすがです。
映像も、光に当たったホコリが煌めくところなど、
無機質なものですが、生身の人間とのやり取りを映すより情感があると思いました。
Owen Pallettの音楽も素晴らしかったです。
キャストの事前情報なく観たのですが、
なんとなく『ロスト・イン・トランスレーション』と同じ空気を感じまして、
孤独感なのかなーと思ってたんですが、クレジットを見て納得しました…
最高。わたし的に今年ナンバーワンでした。
実は「AIとの恋」というSJらしい設定に自分は馴染めないかもなーと思っていたら、一瞬で引き込まれました。
ホアキンフェニックスの哀しみ、スカーレットヨハンソンの息づかい、印象的な逆光撮影、繰り返されるピアノの和音、ウクレレのメロディ、LAの美しい夜明け。
いろんな要素が引き金になって、脳の中の感性にかかわる部分が刺激されているような。理由はともかく脳が好きだと反応している。至福の126分でした。
「すべての感情は出尽くして、後はその劣化版だと思っていた。」(←うろ覚えですみません。。)という台詞に強い共感。
あぁ、自分は新しい感情を感じたいのだと気づくことができました。(泣)
言葉をつくして話し合うと、相手と深くつながれる。
でも、言葉をさらに究めようとすると、
逆にお互いに、孤独を感じていく。
そのジレンマが、めちゃくちゃ切なかったです。
スパイクジョーンズの短編「I’m Here」が大好きなのですが、
まさか「機械の恋」というテーマが長編で、
さらに濃く掘り下げた形で観られるとは、思いませんでした。
ありがとうございました。
目を見て話す、電話、手紙、email、OS…。
「コミュニケーションの手段」は色々だし、時代とともにもっと多様化していく可能性だって理解してる。
だけど、「何をコミュニケートするか」は、何万年前から、そしてこれから先も何にも変わらない。目の前の相手とギスギスすることもリアルなコミュニケーションだし、要領や即時性だけではかなわないことがある。
溜息が出るほど美しくて淡い色だけで染まったスクリーンと、主人公の心情。徹底的にFuzzyな中から、そんなシンプルなことを感じた。
英語がもっとうまければ…
彼女の声を耳だけで感じたかった…
個人的後悔が止まらない。
あと、アダム・ヤウクの名前を見た時は、グッときました。。
ステキなイベントでステキな映画に出会えました。
中井圭さんはじめ、「映画の天才」関係者の皆さんの志に敬服します。
スパイク・ジョーンズの映画は初めて観させて頂きました。
脚本、音楽、素晴らしかったです。
特にインサートの入れ方が、個人的に凄く好きでした。
本当にリアルで、そんなに遠くない未来に起こりえる事であり、まさに「鉄腕アトム」の世界でした。人間と人工知能の違いってもはや体があるかないかだけではないかと、そこに心があると認識出来れば、それは一つの生命体でいいのではないか。
とにかく、素晴らしい映画でした。
偶然、バーチャルリアリティでも恋愛が成立するしないの話をした直後だったからいろいろ考えさせられた。
人口知能との恋愛とかあり得ない!そんな世界寂しい!と思いつつ、ストーリーに入り込むと2人(?)の純粋さ、感情表現や言葉に共感できたし、とてもリアルに感じた。
音楽、光の演出、ジェフのグラフィックももちろん素晴らしかったけど、声で触感、視覚、聴覚を刺激されたのは初めて。ドキドキしました、ホントに。
エイミーアダムスの『人生は、短いわ』って言葉が単純だけどぐっときました。
愛に見返りが必要な人は、セオドアの恋愛にきっと懐疑的になるのだろうけど、
世界に溢れる愛情のほとんどは、「愛したい人」の愛ではないかと思います。
仔犬だろうが、インコだろうが、ヤマトヌマエビだろうが、ましてや自分の子供ですら愛情をかけることへの見返りなんてほとんど与えてくれません。
でも、誰か(なにか)を好きでいることの安堵感、キモチが通じたような時のキラキラした心持ちといったら・・・。
ただの肉ではなく、人を人として動かすためのOSは「愛」なのでは・・・。
いろいろな愛に満ちた、鮮やかな色彩いっぱいの映画でした。
そして世の中的に、なんというグッドタイミング。
試写会当日には家庭用ロボットの発売発表もあったし。
個人的なツボは、大好きなエイミー・アダムス、ハンドメイドライクなガジェットたち、ピンク色の未来、ハスキーボイスのSiriでした。あれスカヨハ先生だったんだ。
性格がいいとか話が合うってのは、
異性を好きになる上でとても大事な要素なんですが、
キレイだったり、良い匂いだったり、おっぱいが大きかったり、
やっぱりそれらも女性の大きな魅力です(言い切っちゃいます!)。
なので仮に主人公と同じ状況に立っても、
僕は恋愛感情までは抱かないんじゃないかと思いました。
だけど確実に依存はすると思います。
刺激的だし便利だし楽しそうだし。
もしいつかこれが実際に売られたなら、
少々の借金ぐらいならしてでも欲しいです!
久しぶりにタラレバを考えてしまう映画で、
見終わった後の空想も楽しめました。
あと、ルーニー・マーラって女優さんが美しすぎて、
ジェニファー・コネリーやウィノナ・ライダーぶりに胸騒ぎを覚えました。
ドストライク!!
OSと人間との恋という事で、もう少しエンタメ感が、満載で描かれると思っていたのですが、
凄くリアルな恋物語として、描かれていて、デートのシーンや喧嘩のシーン、どれを取っても凄く自然というか、感情移入しやすい形になっていました。
OSは人間ではなし得ない計算を瞬時に出来るので、本当にこんな恋人が登場したらはまってしまう人もいるかもしれないって思いました。
サマンサの気の利いた言葉や、タイミング、相手を思いやりながらもユーモアな発言をする所等、
女性として見習うべきところが沢山あって、勉強させられました(笑)
だって、彼の為に即座に作曲してデートの最中聞かせたり、ずっと暖めてきた才能を世の中に広める作業まで、、、!!!あげまんというか、完璧なパートナーですよね!
だけど、サマンサの悩み。人間になる事は出来ない。肉体も持てない。これがリアルな感情なのかわからない。そういった葛藤も描かれていて面白かったな。
本当に優秀に作られたOSだとターミネーターもそうだったけど、人工知能を超えて感情を持ったりできそうな気がして、それがなんだか、不思議なんだけど、愛おしく感じたり。
スパイクジョーンズさんはとってもロマンティストな人だな〜って凄く思いました。なんかね、デートのシーンが凄く素敵なんですよ。
お互いがお互いを楽しませる為の方法とか、見所だと思います!
見終わったあとは、一緒に行った皆でご飯を食べながら映画について、あれこれ話し合いました!w
主役のホアキン•フェニックスがリバー•フェニックスの弟さんだと知って驚きました!
私が小学生の時にシネマティーンとか、スクリーンという雑誌を買っていた頃に大好きだったリバー•フェニックスなので、弟さんが活躍していて個人的には嬉しかったです。
昔みたフランス映画で、愛する女性の座ってた椅子の温もりや、残していった匂いなんかに恋をしてしまったおっさんの話しがあったのを思い出しました。
今回の『her』はそれと対極的とでもいいましょうか、唯物論的にそこに存在しないものを一切排除し、思考のやり取りだけで恋愛ができますか?っていう問題提起であるように感じます。
映画をみている最中、その答えを探すように自分との絶え間ない会話が繰り返されました。
ただ、テクノロジーは進化しても恋愛の本質って変わりませんよね。オジさんになっても恋愛に夢中になっていいんだよね。オバさんになってもたまには泳ぎに連れてってあげてね。そんなメッセージだけは受け取った気がします。
キュンとするようなあの気持ちをOSごときに思い起こさせられるなんてちょっと悔しいけど、コンピュータ目線という新たな視点を提供してくれる本作、なかり革新的だと思います!
とても心に響いてしまいました。
恋愛は、分別のある”人”の男と女でなければならないという…なんとなくの常識。
ここにいる方々は
ナンセンスだと考える方のほうが多いと思いますが、
アイドルや二次元に偏愛するという文化(!?)を持っている日本人としては
素直にこのラブストーリーに心を奪われました。
なんてロマンティックなんでしょう。
ロマンティックな恋愛映画はたくさんあるけれど、わたしが見た中では、一番でした。
この時代はもうすぐ来ますね。
こんなに頭のいい、そして自分のことがわかってくれるAIが現れるのなら
わたしもまちがいなく恋してしまう。
たくさん傷つきやすい時代だから、わたしもセオドアのようにサマンサに出逢いたいです。
これは近未来のラブストーリーではなく、すぐそこにある、とても切なくも儚いラブストーリーのように感じました。
ぼくにとっては少なくとも「ローマの休日」よりも、もっとリアルなストーリー。
「恋は社会が許容した狂気である。」
(↑多分こんなだったはず)
そんな台詞がぐさっと刺さりました。
恋っていいなぁ…
PCの人工知能との恋なんて、視点を変えれば、すごくネクラで気持ち悪いと思ってしまう内容なのに、登場人物がみんな、ウィットに飛んでて可愛くて。監督ご本人を何かの映像で拝見したことがありますが、今回の主人公と重なる愛すべき人だったように記憶しています。
実態を持たない彼女とは、ココロだけで繋がっていて。言葉って、必要なんだな。と思いました。そして、みんな、さみしいんだなと。
さみしくなかったら、人工知能に頼らない気もします。人ではない、自分のPCとのコミュニケーションだから、安心してる部分があって。
でも、一筋縄でいかないんですね。
数百の人と股をかけられていて…。
そこで、人工知能とのコミュニケーションは、破綻しています。
主人公の元を離れていく人工知能に、最終的には、人格を見てしまうほどです。
弱っちいけど、強いな人間って。
そして、さみしいですね。
この映画のヒロインには実体がない。
が、実体とはそもそもなんなのか。
人間以上に人間らしい感情を持った人工知能のくりだす言葉は、
実体がないからこそ純粋で刺激的だった。
声だけでヒロインを演じたスカーレット・ヨハンソンが、
ローマ国際映画祭最優秀女優賞(声だけでの受賞は史上初)ってところが、
この映画のオリジナリティを物語っているのではなかろうか。
そして、最高に上質なラブストーリーであるがゆえに、
僕は主人公と同じような落とし穴に落ちた。
深入りすればするほどの喪失感。
だってそこには、そもそも何もなかったのだから。
そんな究極の切なさが、新しく。
スパイク・ジョーンズのちょっとシニカルな視点と、
時代の変化が生んだ恋愛映画の傑作だと思う。
主人公の男の職業が手紙の代筆屋って設定もまた、
コピーライターである自分とちょっと重なる部分があり、
近い未来が獲得するものと、喪失するものについて考えてしまいました。
映画を観終わった後、自分がさも大恋愛をした気になりました。
もしかしたら大学生ぶり、いや「500日のサマー」ぶりだこりゃ。