第10回
変態試写会

2017.2.20 19時15分
『哭声 コクソン』
監督:ナ・ホンジン
出演:クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村隼、チョン・ウヒ
試写会開催日:2017年2月20日(月)18時半開場/19時開映
作品公開日:2017年3月11日(土)、シネマート新宿他にて公開
(C)2016 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION
STORY
平和な田舎の村に、得体の知れないよそ者がやってくる。彼がいつ、そしてなぜこの村に来たのかを誰も知らない。この男についての謎めいた噂が広がるにつれて、村人が自身の家族を残虐に殺す事件が多発していく。そして必ず殺人を犯した村人は、濁った眼に湿疹で爛れた肌をして、言葉を発することもできない状態で現場にいるのだ。事件を担当する村の警官ジョングは、ある日自分の娘に、殺人犯たちと同じ湿疹があることに気付く。
『哭声 コクソン』
第10回
変態試写会
天才のひとこと
“『哭声 コクソン』” への17件のコメント
コメントを残す
更新情報
次回試写会のお知らせ

『パスト ライブス/再会』
2024.2.5 16時13分

試写会開催日:2024年2月27日
作品公開日:2024年4月5日(金)
Copyright 2022 © Twenty Years Rights LLC. All Rights Reserved
お問い合わせ/映画の天才委員会(中井圭・石田文子・田尻博美)
15分、30分と話が進むごとに微妙にまるで違うジャンルムービーをザッピングしているかのように映画が「シフト」していく。「この結末は絶対にわからない」的などんでんがえし、オチのためのストーリー展開ではなく文字通り「どこへ行くのか、自分が今観ている映画は一体なんなのか」がわからないまま突き進む感覚は本当に新鮮でした。願わくばあらすじやレビューはおろか、この文章さえ最後まで読まずに観に行ってほしい一作です。
怖いのが苦手な人にはオススメできませんが恐怖の中にもおかしみがあるというか、「絶対ダメ!」という人でなければ乗り切れると思います。
何年か前まで韓国映画を観るたびに「なんで韓国にはできて日本にはダメなんだ、、、」と打ちひしがれていましたが、去年は邦画の当たり年だったのでそういったコンプレックスは感じなくなりましたね。日本と韓国、映画にあってはアジアの良きライバルとしてこれからも楽しませていただきたいです。
見たことのない映像作品。
雨の日の湿度も 食物や血の匂いも
気の狂う感覚も
気持ちわるいくらい感じて、
アレはどういう意味だったのか考えてしまって、2度は見たくないけれど、魂すり減らして創ったようなものが観たいときは また観てしまう気がします。
昨夜は「映画の天才」派生企画「映画の変態」スニーク試写会(観るまで作品はなんだか分からない)にご招待頂きまして。
変態認定、ありがとうございます(笑
気になる作品は、まさかの!大好物 ナ・ホンジン監督最新作『哭声/コクソン』。なんだこの疾走感!そして張りつめた緊張!圧倒的なオリジナリティでデビュー作からド肝を抜いてくれた『チェイサー』。そして、さらにパワーアップしてやってきた『哀しき獣』に続いて、どんな球を投げてくるのかと思いきや、超重量級の剛速球(笑 こんなの、ナ・ホンジンにしか撮れないよ!な作品でございました。
まず、こんなにあっという間に感じられる156分は初めて。冒頭のご挨拶で 中井圭 さんが、「たぶんあっという間です」とお話しあって、またまた(笑、とか思ってたのに、終わった後は狐にでもつままれたかのよう。
しまりのないオープニング(褒めてます)から緊迫感みなぎるシーンに展開、途中笑いを誘う日常シーンが、もはや笑える事態じゃなく… 緊張と緩和があると思われるものの、私の心は常にむき出しの緊張感でいっぱい。目を背けたくなるようなシーンも誰かが「こっちを見なさい」ばりに、背けさせてくれないし。
目に見えるものだけが真実なのか?
信じたいものを信じているだけなのか?
観終わってからずっと反芻してるんだけど、ずっと答えが出ない。。まるで全色合ってるはずなのに、くるくる回してもどうしても全面の色が合わないルービックキューブのよう。
もしかしたら、それこそナ・ホンジンの術中なのかも。
答えなんて、誰が決めるんだ、と。
人なのか、神なのか、悪魔なのか。
神≒悪魔なのか。
いったい誰が、何がまともなのか。
非常に強度が高い映画だけど、これこそ映画館の暗闇の中で感じる映画だと思うので、ぜひ劇場で観てほしいと思わせてくれる一本でした。
ホラーにありがちな、ワッ!みたいな驚かせる演出はありませんので、目を見開いてぜひどうぞ(小心者なので、ワタシは目を細めましたw
3月11日公開『哭声/コクソン』
予告編
https://www.youtube.com/watch?v=QjYws-jG400
ナ・ホンジン節「疾走」も、もちろんあるよ!
わー、この何とも言えない嫌な感じ、
私のNo1トラウマ映画の「チェイサー」に似てるわー。。。
と思いながら見てたら、まさに同じナ・ホンジン監督でした。
息もつかせない展開、まったく先がわからないというか
自分がどういうジャンルの映画を観ているのかさえわからない。
なんなんだ、この映画は。と見入っていたら
2時間半があっという間でした。
驚きと疑心暗鬼の連続。翻弄されてクタクタ。
いやー、マジで疲れた。
なんとも形容しがたいですが、ものすごい怪作でした。
個人的には大好物な映画でした。
次に何が起こるのか全く予測不能。
混とんとしていて、辻褄が合っているのかすらわからない。
これは確かに、前情報なしで見てもらったほうが絶対にイイ。
鑑賞後の、映画館全体に広がる何とも言えない空気を味わっていただきたい!
スニーク試写会だったので、楽しみにしていたのですが、
「哭声/コクソン」は、國村隼さんが韓国の映画賞を受賞して話題になっていたので、
観たいと思っていた映画でした。
さすが、映画の変態という映画でした。
自分が予想していた内容とはかなり違っていて、
全然違いますが、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」を観た時と同じような気持ちになりました。
途中から一体どういう映画を観ているのかわからなくなり、
あっという間に時間が過ぎた感じです。
後味は決して良くなかったです。
なんだこの映画は!という衝撃。結末の読めない展開。
風呂敷をめいっぱい広げて、あちこちに貼る伏線、いったいどういう結末になるの?
ハラハラドキドキしながらみた2時間半。最後まで結末はわかりません。
だからこそ映画館でみるべき作品。
観た後は、頭の中をミキサーでかき回された感覚。
しばらく時間が経ってみると、その感覚も自己の既成概念から作られてたような不思議な感覚に。
表現としては、目を背きたくなるような演出満載でしたが、
描いている本質は、違うところにある気が。
思い込むことで得られる安心感もあるけど、
いざ対象となるものと対峙した時にはその思い込みが仇となることも。
対照的にところどころ吸い込まれそうで、畏怖のあるキレイな景色が印象的でした!
いやー、なんなんでしょう、このなんとも言えない気持ち。
個人的には、スニーク試写会じゃなければ、絶対にみていなかった作品。
(だからこそ、いまはみてよかったと思ってます)
中井さんが「パンチ力ある作品」とおっしゃられていたけれど、
ほんとうにその通りで、うす目で首や肩を硬直させながら、
そのヘビー級のKOパンチを浴び続けた2時間半。
役者のみなさんの演技はすばらしいんだけど、
それにもましてナ・ホンジンの強烈なエネルギーを感じました。
みなさんにも、ぜひ事前情報なしで、
このKOパンチと強烈なエネルギーを受けてほしいです。
これぞ、スニークの醍醐味。これぞ、映画の変態。拍手ですパチパチパチパチ。。。
でも、見終わった直後はそんな元気残っていませんでした。
多くの方も書かれているように、僕も最初は
ゾンビ系?→オカルト系?→サスペンス系?→サスペンス・ホラー???・・なんじゃ?なんじゃこりゃ。。
まんまと振り回された挙句、放り出される。
ホント疲れました。生気を失いました。
引き込まれていく理由には、ストーリーの面白さもありますが
何より、ものすごーく作り込まれた画の迫力とその密度によるところが大きいですね。
不思議と音の印象がほとんどなく、圧倒的な悪夢のようなビジュアルが強烈に印象に残りました。
さっ、ララランドのサントラ聞いていい夢みよう!
何が真実か最後まで分からない展開で、あっという間の2時間半でした 。雨の描写がどんよりしたストーリーに上手くマッチしていたなぁと思いました。國村隼さんの演技力はすごいです!!
雨の音、湿気、ぬめり、血生臭さ。
そして狂気。
ずっと硬直していたんですね。きっと。
見終わった後の脱力感とともに、すごく肩が凝っていました。
でも二転三転するストーリーにはやられました。
見ているものだけが真実ではない。
そんな映画でした。
今回の”変態”に選ばれた作品はどんなものだろう!と 精神的に脆い人はやめた方がいいということで 覚悟をしての試写会参加!
始まると同時に、警戒をせざるおえない緊張感。
ベタつくような湿気、得体の知れないほの暗さ、終始出てくる食事のシーン。
人の生きていくタフさと心の脆さ、印象による危うさ。
何度もスクリーンから目をそむけたくもなり、それでも観ずにはいられない!
終わったあとは何がどうだったのかを相方とずっと話しながら帰途につきました。
もう、観たくはないよね。。。?
いや。あのシーンをもう1度確認したい。
試写から5日経ったいま、猛烈に観にいきたい衝動に駆られています。
極度の恐怖と緊張感が麻痺して、心地よくも感じてしまっている中毒性のある素晴らしい映画でした。
まさに『映画の変態』!!!
壮絶な156分。
アニミズム、一神教、アジア、季節風、歴史観、人種、村社会etc……。
さまざまな要素がまじりあって、鑑賞後は、思考と感情がかき乱されました。
この映画は、2人以上で観ることをおすすめします。
鑑賞後、誰かと話さずにはいられない衝動にかられるからです。
僕は試写後、友人と近くの居酒屋に駆け込み、あのシーンは、あのセリフは、とおたがい話すことで気持ちを整理することができました。
そして、僕の友人はこんなことを思い、考えていたのかと、新しい発見もあったりして。
鑑賞後語ることで、もう一度、濃厚な時間が味わえるという意味でも、とても変態的でおもしろい映画です。
灰色の空、どしゃぶりの雨、湿気た空気と土の臭い。
ボロい民家のカビ臭さと、赤黒く仄暖かい血の滑り、ゆるゆるのオッサンと容赦ない残酷描写。
「キタキタこれこれ韓国映画はこうでないと!!!」とテンションが上がりました。
前半は素晴らしい緊張感で一気に見せられたのに、中盤からは「オイどうした!?笑」みたいな謎の展開。
他の方も仰ってますが、まさに前情報なしで劇場に入って、「フロムダスク・ティル・ドーン」を観た時の衝撃が蘇りました。
基本シリアスなので、笑っていいものか否か戸惑うシーン(ちょいちょい笑いましたが)や、物語上そこまで長く描く必要がないのに、ディレクターズカット並にたっぷり尺を取って見せるシーン(完全に監督の個人的な趣味だと感じました)、とにかくやりたい放題で、監督や現場スタッフは「超一流のプロフェッショナル」、脚本は「超ポテンシャルありの学生が書いた卒業製作」みたいに捉え始めた頃に、職人芸的な脚本で観客を振り回し、「これは一体何なんだ!?」「誰が作ってるんですか!?」「一流なんですか!?B級なんですか!?」と戸惑いながら、最後まで見終えてしまいました。
ナ・ホンジンの作品と聞いて納得。
色んな意味で、ナ・ホンジンでなきゃできない作品だなあと、超納得。
スニークプレビューっていうのが、何だかこの映画の趣旨にも沿っていて、とても良いなあと思いました。
こういう映画があっていい。自ら進んでは絶対観ない映画ですし、人にも薦めですが、観れて良かったです。
スニークプレビューで、中井さんに「向いている」と言われてドキドキしながら向かいましたが、予想と全く違い度肝を抜かれました
ホラーが苦手な人間としては本当にずっと叫び出しそうで(シーンによっては叫んでました、すいません)、帰った後も家の各所にコクソンのワンシーンを見出してしまい、最終的にはYouTubeでコントを見続けてどうにか眠れました。
常に漂う不気味さと残酷なシーンの合間になぜかシュールな笑いが挟まっていて、そこで笑って気が緩んだところですかさず恐怖のどん底に突き落とされる連続…。
恐怖の奥に、差別や固定観念への問題提起のようなテーマを感じ、それについて考えさせられていたら、最後のどんでんがえしで急に全てがクエスチョンマークになり脳内がパンクしました。巨大なハテナを観る人に投げ、観た後もずっと映画について、そして自分の持っている固定観念について考え続けさせる映画です。ホラーでこんなに考えさせられるとは思いませんでした。
恐ろしすぎるのでもう一度見るのは無理ですが、経験できてよかったです。
人が(少なくとも僕は)物事の善悪や好き嫌いを決めるとき、一方向から見ただけでは決められないと思っています。いろんな側面があって『ここは嫌いだが、ここは素敵』という見方をしていたいです。でも、それが人間だった時、ある部分を隠し装って遭遇してるかもしれないと思った途端、もう判断できない。じゃあ、どうするか。自分の判断や行動を決める優先順位は何か。そんなことを考えさせられました。とても人間くさく『疑心暗鬼』に立ち向かう主人公に自分を重ねて観ていました。まだあるのかと思わせるのに集中力が切れず最後まで掴まれ続ける156分。『チェイサー』のナ・ホンジン監督と知って納得。素晴らしいです。