第26回天才試写会『別離』
< 第26回天才試写会 >
3月30日(金) 『別離』
(4月7日ロードショー)
天才映画『別離』 >>
持ち帰る映画。

「映画の天才」代表 中井 圭
『別離』公式サイトはこちら
(C)2009 Asghar Farhadi
天才のひとこと
遠い異国に暮らす宗教も文化もまるで違う人々の物語なのに自分のことのように感じられ、123分間食い入るようにスクリーンを見つめてました。まだ3月だけど、今年のベスト級の作品と出会った気がしています。
橋口幸生さん/コピーライター
嘘と誤解と愛と葛藤。それぞれの真実をつらぬくためのそれぞれの人間の生き方、どうしようもなく切ないが目をそむけてはいけない。全ての壁を取り払って見てほしい映画。もう1度見たい。
ヤギトモヒロさん/映像ディレクター
事実は一つなのに、見る側によって変わり、時間と共に「創造」されていく。善意が悪意を、悪意が善意を、互いに栄養のように喰い合い膨らんでいく。ハリウッド系のような、無理やり緊張と緩和でつくられたプロットではなく、こちらに問題定義してくる組み立て。エンディングもとてもいい。音楽でストーリーをバックアップしたりフィックスしたりしないのも、よかった。
安田寿之さん/音楽家
自分が正しいと判断しているのは正しいと誰かが認めてくれているから。誰かがいるから自分の存在を確認出来る。他人にゆだねて生きている事が良く分かった。もっと周りにいてくれている人を大切にしないといけないと思わせてくれた映画でした。
秋山カズオさん/株式会社デラックス代表取締役
脚本がすばらしくよくできていて、話に夢中になって肩がこっちゃうくらいのめりこんでしまいました。ボクは男なので、ついついパパ目線で“ガンバレ”とか“おい!おれはちがうやろ”とツッコミたくなるのですが、次は彼女といっしょに見て“あんたならあのときどーする?”みたいな話をしてみたいなと思います。人として何を大切にするか、して生きているのかを問われた、そんな映画でした♪
歓崎浩司さん/コピーライター・CMプランナー
リアルすぎる作品。裁判所のシーンでは裁判官(?)と同じく頭をかかえてしまった。愛する人を守るための嘘。少女たちの目が印象的だった。
大久保涼香さん/アナウンサー
自分におとずれた不幸を、他人のせいにすると一瞬楽だが、根本的な解決にならず、結果、自分をおとしめることに繋がりやすい。もしなれるなら、苦しみをその中で消化できるような人間になりたい。そんな考え方を確認させてくれる映画。
中武哲也さん/Production I.G プロデューサー
人間関係の複雑さ、細部まで圧倒的なクオリティで描き切っているように思います。世の中の表に出てくる善悪や、正しさ、間違いなど、普段目にする情報やストーリーって、実はすごく遠い存在だと感じました。心の深いところに刺さり、痛いけれども、それでも希望を持ってしまうのだな、と。
木村史園/bijin-tokei プロデューサー
様々な状況において、人間は“立場”を利用する。その立場は、万人共通ではない。前を向くとはどういうことなのか。とにかく痛みが消えないのだ…。
市川恵一朗さん/PHIL co.,ltd.代表 クリエイティブプロデューサーマネジメント
譲れない部分は人それぞれ。日本人的な考えとはかけ離れた部分があるのに共感できたりもする。とてもいい映画だった。
澤田幸さん/グラフィックデザイナー・映像作家
イラン版「ブルー・バレンタイン」。父親が孤独なのは万国共通なんですね…。
開大輔さん/photographer
“誰も悪くない”皆それぞれの思いや秘めていることがあったのだと思う。それを打ち明けるタイミングだとか打ち明ける相手だとか、何万通りも考えられる組み合わせの中から偶然にも“最悪”な組み合わせの一通りが選ばれてしまっただけなのだと思います。確かにどこにでもありそうな日常を描いた作品でしたが、登場人物一人一人の描写がとても細やかで見ているこちらも思わず感情移入してしまうと同時にイランが懐かしくなったり(笑)本当に“複雑”この一言にこの映画の全てが集約されていると思います。
加藤祐太さん/東京外国語大学
イランの映画ということで興味をもったが、観始めると遠い国の映画という気がしなかった。私と父の、父と母の、母と私の物語のように思える場面があり、誰の気持ちも分かって共感できるのだけど、埋まらないものがあることが、はっきり伝わってきて切なかった。誰かと一緒に生きていくことがこんなに重くしんどいことだと思い知ったが、同時に互いを想い合う気持ちもあふれていて救われた気もした。「複雑」という形容がぴったり。
片山満祐子さん/学生
自分でも驚くほど作品世界に引き込まれた。「映画が持っている可能性は本当に底知れない」と思わせてくれた傑作である。其々に守るべき人が居る、守るべき物がある。その為に人は時として真実から目を背けてしまう。そんな大人たちを目の当たりにした少女が出した答えとは?心に刺さるラストシーンでした。
伴昭光さん
娘の為、父の為、妻の為、夫の為、生徒の為、そして自分の為。それぞれが良かれと思った行動、発言が、全て裏目に出てしまう。「善と悪」見方が変われば「善と悪」も変わってくる。少し歯車がズレただけなのに、どんどん最悪な方向へ転がってく…長年、築き上げたものが、こわれていくのはあっといく間という恐ろしさ。想う事がまだまだいろいろあるのですが、鑑賞後すぐではなく、一晩たってから改めてふり返りたいです。おもしろかったです。
板谷弥生さん
何を想い、この映画を創ったのだろう。ハリウッドが作らないだろう、この方向の映画を、僕は声を大にして宣伝せねばと想う。
伊藤陽佑さん/俳優などなど
映画を見ている最中、何度もとまって頭の中を整理しないと、気持ちがパンク寸前だった。子供の意見を尊重するという考え方も全て子供に押しつけているようで、つらかった。介護や子供の将来など自分にも起こりうることで正直怖くなったし、今日から考えて悩むと思う。
佐藤樹里さん/グラフィックデザイナー
たった今、見終わったばかりなのに一体どんな映画だったのか、言葉に置き換えることができません。この映画は僕にとっては新感覚だったんだと思います。2、3日は思い返して解釈するんだと思います。
加藤まさたかさん/カメラマン
イスラム文化があまり分からないので、本当に面白い所を理解できたかどうか、分からないですが、豪華版「行列のできる法律相談所」の再現VTRを見ている感じでした。前にアカデミー賞をとった「クラッシュ」にも似ているので既視感がいなめないところもありました。面白いとは思いました。
森隆博さん/映像制作
遥か遠い国の物語なのに、自分や、自分の父や、母や、親戚や、友人を見るように観た。誰もが誰かを想っている。誰も悪くないが、誰もが少しずつダメで弱い。しかしそれが人間なのだと思うと、切なくもあり、愛しくもあり。すべての登場人物の感情の機微を、決して誇張することなく誠実に描ききった監督の「良心」と「力量」に脱帽。すばらしくいい映画です。
石田文子さん/『映画の天才』委員会 &コピーライター
美しく、そして哀しい!登場人物皆が辛い思いをしている。しかしその中には娘を想う親心、父を想う子心、神への絶対的な信仰心。それぞれの愛が美しかった。
今中航さん/学生
登場人物それぞれの信じるもの、それぞれの愛情。大切なものを守る為の嘘。一人の人間の中にある表裏一体の感情のせめぎ合い、ぶつかり合いによって複雑に紡がれたストーリー。家に帰ってからもう一度じっくりかみしめたい作品でした。
古賀拓也さん/イラストレーター
この映画はイラン社会をあらわしているだけではなく、どこにでも見られる問題を取り上げていると思います。イラン人としてはとても現実的で登場人物全員と共感できました。最後の結果はみんなのせいでありながら、誰のせいでもないという事や真実と嘘の境目は何なのかという事について考えさせられました。
モハッラミプール・ザヘラさん/学生
イラン映画を観たのは初めてかもしれない。思った以上に宗教色を前面に出していないし、クオリティの高い映画に驚いた。映画の内容の感想は時間がかかりそう。まだ出てこない。頭の中がストーリーと同じで混沌としていて、真っ暗な感じだ。エネルギーを貰える映画ではないが、人に紹介するに値する映画だ。そして結構ずっしりと心に残る映画だ。一言で言えば・・・立場?!
藤本あかりさん
秘密と嘘、そして真実をそれぞれに抱え、争い合う大人たち…。そこに立ち会う子供たちの眼差しがうつろい、胸に刺さる。
中村靖日さん/俳優
イスラム文化の下での男女の関係、貧しさから生まれる人のどん欲。全てが織りなす人間模様。タイトルの『別離』という言葉が身に沁みます。
植木義英さん
自分には異質の文化でも、彼らにとっては日常の当たり前の世界。イスラム圏における女性の立場についても意外な気づきがたくさんあって興味深く観ることができました。サスペンス的な要素もあり、最後まで飽きる事なくみせるアスガー・ファルハディの手腕に感心しきり。
米田匡男さん/WOWOWデジタルリレーション部長
法や宗教につじつまを合わせて苦しむのなら、子供にだけは正直でありたいと考えさせられました。
高林直俊さん/グラフィックデザイナー
救われない・・・イラン映画として構えてみる必要はなく、どこの国でもどこの家庭でも起こりうる出来事。ただし、そこに宗教上の理由が加わる事で、複雑さが増してしまう。一家庭の離婚問題から、一転して二つの家族の色々な問題が浮き彫りになり、小さな嘘が雪だるまのように膨れ上がっていく。愛する人を守りたいと思う想いが結局裏目に出る。改めて人間の感情の複雑さを感じました。娘の涙は観ていてツライです。しばらく引きづりそう・・・
大澤友美さん
複雑で難しい映画だ。一度観ただけではとてもこの映画をわかった気がしない。事実は提示されず、徐々に明かされる証言から真実を類推する他ない。しかしなんのことはない、真実など誰にもわからないというのがこの映画の結論である。事件は夫婦の離婚を決定づけただけであった。終盤、双方の娘がにらみ合うシーンが象徴的だった。
岩崎貴大さん/大学生
「正解」は知っているのに意地に邪魔されて一時の感情に流されてしまう。もどかしくてたまらないが、自分が同じ立場なら同じような事をしてしまうだろうと思う。イランという全く文化の異なる国だが、人間の本質は同じだということを強く知らされた。イランがすぐ隣に感じた。
田中秀宗さん/ブロガー
親子、夫婦、介護、イランの映画ではあるがそんなことは関係なく、人類普遍のテーマを描いている。ゆえに世界の映画賞を総なめにしているのにも納得いく。人間の複雑で様々な感情の葛藤を二時間でここまで描ききったのは見事としかいいようがない。
永里二郎さん/WEBクリエイター
観ていて実につらかった。どうすれば抜けられるんだろうかと不幸の連鎖はどうすれば止まったのだろうかとうつうつと思う今である。何が真実で何が嘘なのか。世の中に真実も嘘もきっとないのだなぁとそんなこともぼんやり思った。観ていて実につらいくせにもう一度本当はどうだったのか試したくなるのは不思議である。きっと映画館に行ってしまうだろうなぁ。
林賢太郎さん
自分達の身近な所でおきそうな嘘や真実がリアルに表現されていて、静けさと緊迫感でグイグイ引き込まれました。
須藤晋次朗さん/ビストロオランチョ・オーナー
それぞれの感情が入り乱れて、複雑な心境、それぞれに思い入れをしてしまった。最後、どちらの決断をしたのか。夢中になって、あっという間の2時間でした。
佐藤友希さん
リアルに感じる部分とそうでない部分と・・・離婚、介護、親子などとても普遍的なテーマをじっくりと考えさせられました。しかし、宗教やイランという国に関しては、へ〜そうなのかという感じでした。緊張感ある演出には脱帽です!深すぎるのであとでゆっくり考えます。
熊谷晶一さん/ディレクター
複雑。それぞれ愛する人の事を思っての、嘘や行動なのに、そのすべてが空回りの連鎖でもどかしくてならない。みんな幸せになりたいはずなのに、負の悪循環・・・。嘘で塗り固めた世界は、人も周りも自分も壊してしまう。恐ろしい事だと思いました。全てが現実世界で起こっているリアルだった。
森下奈央子さん/ヘア&メイクアップアーティスト
親と子、夫と妻、男と女・・・と色々な面をこの作品で見ることができました。一回、ちょっとした嘘をついた事で、引き下がれなくなる事は現実にもよくある事で、なんだか痛々しくもあった。純粋な存在であるはずの子供が一番冷静に物事を見ていて、それが辛く感じました。ナデルにとにかく腹が立った。事件により少しでも成長してほしかったがそれもみえず・・・きっと娘は父を選ぶのだろうな・・・と思うとよけいに辛いです。
伊勢佳世さん
「心の痛み」から生まれるもの。とても良かったです。人間は自分の都合で「正解」をいい、それが誰かを傷つけている事を知らない。そして嘘をつく事が出来ない純粋な心をもつ人が暴力よりもっとつらい仕打ちをうけて心をズタズタにされる。それでも心を修復できる人もいれば、一生背負う人もいる。みんな大小ながらテルメーやソマイエと同じ思いをしたことがあるはず。人間は良心がある。だから汚くて美しいドラマを生むと思いました。
Susieさん/スタイリスト兼デザイナー
それぞれに正解や信念があり、真実がもし一つだとしても正論に真実は宿らないなと改めて感じた。感情に流されてもうまくいかないが、正義を振りかざしても先には進まない。まさに複雑な心模様を映した精緻なドラマでした。セリフは多いけど寡黙で表情豊かな映画だなと思いました。
中上俊介さん/建築家
とても簡単には言えない。答えも何が正しいのかも、家族がなんであるのかも言えません。でも、それをもう一度問う事は必要だと思いました。映像美しく、俳優さん達も素晴らしかったです。部屋のインテリアにセンスがあった。(ワイエスの絵があったり、細かい所にもセンスが感じられた)
高橋真理さん/モデル
正義と真実は違って、いつも争いは正しさと正しさのぶつかり合い。信仰も同じ。真実を語る事もあれば、足かせにもなるもの。いつも自分に嘘をつかずに生きる事ができれば歯車は狂わないのにと思う。争いも起こらないのに…
竹ノ下三恵さん/セラピスト
04/06 23:06
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